子ども向け音楽制作(DTM)

子どもが作曲(DTM)を始めるときに必要なものは?

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「うちの子は音楽に興味がありそう。曲作りさせてみようかな?何から始めればいいの?」
「お金をかけずに始められるの?」
「音楽の知識がない親でもサポートできる?」

そんな疑問を抱える保護者の方は多いのではないでしょうか。

実は、初期費用0円でスタートすることも可能です。

何かというと、DTM(デスクトップミュージック)というもの。

カンタンに言うと、スマホやパソコンで行う作曲活動です。

無料で始められるDTMツール【簡単解説】

作曲を始めるのに高価なソフトは必要ありません。まずは無料ツールで十分スタートできます。

年齢別推奨ツール

小学生におすすめ

  • Chrome Music Lab:ブラウザで完結、直感的操作
  • GarageBand(iOS/Mac):豊富な音源、年齢問わず使いやすい

中学生以上におすすめ

  • BandLab:クラウド保存、友達とのコラボ機能
  • Audacity:録音・編集に特化、本格的な音作り

より詳しいDTMソフトの比較については、DTM初心者向け無料ソフト比較の記事で詳しく解説していますので、そちらもご覧ください。

必要機材と段階的予算設計

最小限スタートセット(初期費用:0円)

今あるもので始めよう

  • スマートフォン、タブレット、またはPC
  • 付属のイヤホンやヘッドホン
  • 無料の音楽制作アプリ

多くの家庭にある機器で十分スタートできます。「専用機材がないと始められない」という思い込みは捨てて、まずは手持ちの機器で試してみましょう。

ステップアップセット(追加費用:5,000円以内)

子どもが作曲に興味を持ち続けているなら、次のステップを検討しましょう。

音質向上のための投資

  • MIDIキーボード(5,000円):より直感的な演奏入力

本格化セット(追加費用:50,000円以内)

継続的に取り組み、より本格的な制作を目指す場合の機材です。

プロ仕様に近づく機材

  • 27インチモニター(30,000円):作業効率の大幅向上
  • オーディオインターフェース(10,000円):高品質な録音環境
  • モニターヘッドホン(5,000円):正確な音質判断

重要なポイント 一度にすべて揃える必要はありません。子どもの興味と上達に合わせて段階的に投資することで、無駄な出費を避けられます。

創造性を伸ばす環境づくり

物理的環境の整備

場所の確保

専用の音楽室は必要ありません。リビングの一角や子ども部屋の机で十分です。大切なのは「いつでも音楽制作ができる」という環境を作ることです。

姿勢と健康への配慮

  • 机と椅子の高さ調整で正しい姿勢をキープ
  • 適度な照明で目の疲れを軽減
  • ヘッドホン使用により時間や場所を選ばない制作が可能

心理的環境の構築

失敗を恐れない雰囲気作り 「失敗は学習の一部」という価値観を家族で共有しましょう。完璧を求めすぎず、チャレンジすること自体を評価する姿勢が重要です。

過程を重視した褒め方 結果だけでなく、取り組む姿勢や工夫した点を具体的に褒めることで、子どもの内発的動機を育てます。

定期的な発表機会 月1回程度の「家族発表会」を設けることで、作品を完成させる達成感と発表する喜びを味わえます。

音楽知識がない親でもできるサポート方法

技術的サポートは必要なし

「私は楽器も弾けないし、音楽理論もわからない」という心配は無用です。大切なのは技術的な指導ではなく、子どもの創造性を支える環境を作ることです。

きじP
きじP

私も弾けませんし、音楽も苦手です!でも、子どもと一緒に調べることはできます。それが大事!

もし、

  • 技術的なサポートをしたい
  • こどもがもっと習いたいと言い出した

この2つがそろった時に、音楽教室に通うと良いと思います。

椿音楽教室

では、全国200箇所以上の教室のほか、オンラインでのDTMレッスンもあります。
60分無料体験から始めてみては?


効果的な声かけとコミュニケーション

作品に対する質問

  • 「どんな気持ちで作ったの?」
  • 「この部分で工夫したところはどこ?」
  • 「聞いている人にどんな気持ちになってほしい?」

一緒に音楽を楽しむ

  • 子どもの好きな音楽を一緒に聞く
  • 感想を共有し合う
  • 新しい音楽ジャンルを一緒に発見する

学習環境のサポート

  • 練習時間の管理とスケジュール作成
  • 技術的な質問は一緒にインターネットで調べる
  • 集中できる時間帯の把握と配慮

進歩を見守るポイント

月単位での成長を実感 日々の小さな変化より、月単位での成長に注目しましょう。定期的な作品発表会で過去の作品と比較することで、確実な成長を実感できます。

技術より表現力重視 操作の上手さより、子どもなりの表現ができているかに注目します。大人では思いつかないような発想や組み合わせを見つけたら、大いに褒めてあげましょう。

比較は過去の本人と 他の子どもとの比較ではなく、過去の本人と比較することで、その子独自の成長を認めることができます。

作曲学習の具体的ロードマップ

第1週目:まずは触れてみる

目標:アプリに慣れる

  • 選択したアプリのダウンロードと基本操作の理解
  • 既存のループ素材を組み合わせた簡単な作品作り
  • 家族への「初作品」発表で達成感を味わう

親のサポート 一緒にアプリを触り、操作方法を覚える過程を共有しましょう。うまくいかなくても「一緒に覚えよう」という姿勢が大切です。

第1ヶ月目:基礎を身につける

目標:音楽の基本要素を理解

  • 基本的な音楽用語(リズム、メロディー、ベースなど)の理解
  • オリジナルメロディーの録音に挑戦
  • 友達や祖父母への作品シェアで喜びを共有

親のサポート 音楽用語がわからなくても大丈夫です。子どもと一緒に調べることで、学習への取り組み方をサポートできます。

3ヶ月後:本格的な制作へ

目標:完成度の向上

  • 1分程度の完成度の高い楽曲制作
  • 複数の楽器パートの重ね録音技術習得
  • 様々な音楽ジャンルへの興味拡大

親のサポート 作品の完成度より、新しいことに挑戦する姿勢を評価しましょう。「前回より○○が上手になったね」という具体的な褒め方が効果的です。

半年後:習慣化と発展

目標:継続的な制作習慣

  • 歌詞付き楽曲の制作にチャレンジ
  • 基本的なミキシング技術の習得
  • 定期的な制作習慣の確立

親のサポート この段階では、子どもの自主性を尊重しつつ、必要な時だけサポートする「見守る」姿勢が重要になります。

年齢別:子どもの作曲学習アプローチ

小学校低学年(6-8歳):音遊びから始める黄金期

この時期は聴覚が最も発達する貴重な期間です。楽器や複雑な操作よりも、「音」そのものを楽しむことから始めましょう。

特徴と学習のポイント

  • 集中時間は15分が限界
  • 視覚的な操作より聴覚重視
  • 即座に結果が見える活動を好む
  • 遊び感覚での学習が最適

推奨活動

  • 手拍子でリズムパターン作り
  • 鼻歌メロディーの録音
  • 身近な音(雨音、足音など)の収集
  • 簡単な音楽アプリでの音遊び

小学校高学年(9-12歳):論理的思考の芽生えを活用

論理的思考が発達し始めるこの時期は、音楽理論の基礎を導入できる絶好のタイミングです。

特徴と学習のポイント

  • 30分程度の集中が可能
  • デジタルツールへの適応力が高い
  • プロジェクト型学習に興味を示す
  • 「なぜそうなるのか」を知りたがる

推奨活動

  • 簡単なループ素材を組み合わせた楽曲作り
  • 楽器アプリでの演奏録音
  • 基本的な音楽用語の学習
  • 友達との作品共有

中学生(13-15歳):自己表現欲求の高まり

自分らしさを表現したい欲求が強まる時期です。技術的な操作方法も積極的に学習するようになります。

特徴と学習のポイント

  • オリジナリティを重視
  • 友達との共同制作に興味
  • SNSでの発表を意識
  • 流行の音楽ジャンルへの関心

推奨活動

  • 本格的な楽曲制作への挑戦
  • 様々な音楽ジャンルの研究
  • 歌詞付き楽曲の制作
  • オンラインでの作品公開

高校生(16-18歳):プロレベルへの挑戦

将来への意識が芽生え、本格的な技術習得が可能になります。長時間の集中作業にも対応できるようになります。

特徴と学習のポイント

  • 音楽理論への深い理解
  • 技術的な完成度を追求
  • 将来のキャリアを意識
  • 長時間の制作活動が可能

推奨活動

  • 完成度の高い楽曲制作
  • 音楽配信サービスへの投稿
  • 音楽理論の本格的学習
  • 他のアーティストとのコラボレーション

よくある課題と解決法

「難しすぎて続かない」

原因 年齢に適さないツールや目標設定が主な原因です。

解決法

  • より簡単なアプリに変更する
  • 目標を小さく細分化する
  • 成功体験を積み重ねることを優先

「すぐに飽きてしまう」

原因 単調な練習や明確な目標がないことが原因です。

解決法

  • 短期目標(1週間、1ヶ月)を設定
  • 定期的な発表機会を作る
  • 新しいジャンルや技法を定期的に導入

「思うようにいかずイライラする」

原因 完璧主義や高すぎる目標設定が原因です。

解決法

  • 「実験」として取り組む姿勢を育てる
  • 技術より表現を重視する声かけ
  • 失敗を学習の一部として捉える価値観の共有

作曲がもたらす教育効果

認知能力の向上

集中力の大幅な改善 研究によると、音楽制作を続けた子どもは6ヶ月後に集中持続時間が平均23分から35分に延長しました。これは他の学習活動にも良い影響を与えます。

問題解決能力の育成 作曲では「思った音が出ない」「メロディーがうまくつながらない」といった問題に日常的に直面します。この試行錯誤の過程で、論理的思考力が自然に育まれます。

記憶力の強化 音楽的記憶と論理的記憶の両方を活用するため、総合的な記憶力向上が期待できます。

創造性への影響

発散思考の向上 創造性を測定する発散思考テストにおいて、音楽教育を受けた子どもは平均23%高いスコアを記録しました。

新しいアイデアへの積極性 音楽制作で「新しい組み合わせ」を試す経験が、他の分野でも革新的なアイデアを生み出す土台となります。

他分野への波及効果 作曲で培った創造性は、絵画、作文、発明など他の創作活動にも良い影響を与えることが確認されています。

自己表現力と自信の向上

内向的な子どもの表現手段 言葉での表現が苦手な子どもにとって、音楽は強力な自己表現ツールとなります。

達成感による自己肯定感向上 作品を完成させる体験が自信につながり、他の分野への取り組み姿勢も向上します。

コミュニケーション能力の間接的向上 作品を通じて他者と感情を共有する体験が、コミュニケーション能力の向上にも寄与します。

まとめ

子どもの作曲は、特別な才能や高価な機材がなくても始められます。大切なのは、年齢に応じたアプローチと、子どもの創造性を支える環境づくりです。

今日から始められること

  1. 手持ちのデバイスに無料アプリをダウンロード
  2. 子どもと一緒に15分間の「音遊び」タイム設定
  3. 「失敗OK」の雰囲気作りから始める

音楽知識がない保護者でも、子どもの興味と成長を見守り、適切なタイミングでサポートすることで、豊かな音楽体験を提供できます。

作曲を通じて、お子さんの創造性、集中力、自己表現力がきっと花開くでしょう。まずは気軽に、親子で音楽制作の世界を楽しんでみてください。

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子どものDTM制作記事まとめはこちら

気軽に音楽活動
Q
参考文献・情報源

この記事で紹介した情報は、以下の信頼できる研究論文、専門機関の報告書、および実際の体験談に基づいています。
学術研究・専門機関
音楽教育における感動体験の必要性 – CiNii Research 音楽科授業における子どもの感性育成に関する研究
URL: https://cir.nii.ac.jp/crid/1390009224859023872
音楽教育を重視する学校教育カリキュラムがもたらす学習効果 – CiNii Research 知的・社会的・個人的発達における効果の研究動向
URL: https://cir.nii.ac.jp/crid/1390009224859558912
音楽指導における学習のねらいに関する一考察 – CiNii Research 音や音楽のもつ機能の効果的活用についての研究
URL: https://cir.nii.ac.jp/crid/1050282812990909440
音楽教育の3大メリットと脳科学者が主張する脳力UP – StudyHacker こどもまなび☆ラボ 音楽教育が子どもの脳発達に与える影響の科学的研究
URL: https://kodomo-manabi-labo.net/music-brain
DTMソフト・ツール公式情報
Apple GarageBand公式サポート iPhone用GarageBandユーザガイド・教育活用事例
URL: https://support.apple.com/ja-jp/guide/garageband-iphone/welcome/ios
Apple GarageBand for iOS iOS版GarageBandの機能詳細・教育現場での活用
URL: https://www.apple.com/jp/ios/garageband/
Apple GarageBand for Mac Mac版GarageBandの教育機能・レッスン機能
URL: https://www.apple.com/jp/mac/garageband/
BandLab – オンライン音楽制作プラットフォーム 無料で使える音楽制作環境・コラボレーション機能
URL: https://www.bandlab.com/?lang=ja
Google Chrome Music Lab 子ども向け音楽教育ツール・14種類の音楽実験
URL: https://musiclab.chromeexperiments.com/
教育現場での実践事例
Chrome Music Labを活用した授業・音楽づくりのアイデア – 教育音楽オンライン 小学校での実践事例・タブレット活用方法
URL: https://ontomo-mag.com/article/column/kyo-on12/
クロームミュージックラボとは?使い方と音楽授業での活用方法 – ムジクラス 音楽科教員による詳細な活用方法解説
URL: https://mujikurasu.com/chromemusiclab/
Chrome Music Labを使って音楽を作ろう – MITO ICT-SUPPORT NET 小学4年生向けの具体的な授業実践例
URL: https://mict-support.net/43chrome-music-lab/
1人1台タブレットを使用した実践例 – 音楽教育駆け込み寺 音楽授業でのタブレット活用実践報告
URL: https://ongaku-kakekomi.jimdofree.com/タブレット活用情報/
音楽制作技術・使い方ガイド
【1カ月集中講座】世界一やさしいiOS版GarageBand講座 – PC Watch GarageBandの具体的な使い方・教育活用のヒント
URL: https://pc.watch.impress.co.jp/docs/column/1month-kouza/707611.html
BandLabを使用して無料で作曲を始めよう – sleepfreaks 初心者向けBandLabの使い方解説
URL: https://sleepfreaks-dtm.com/bandlab/bandlab-1/
【最速で作曲を始める!】作曲ソフト「BandLab」の使い方 – ボカロラボ 子ども・初心者向けの作曲ソフト解説
URL: https://vocalo-lab.com/archives/147
集中力・認知能力に関する研究
音楽を聞きながら作業をすると、記憶力・集中力が上がる – TABI LABO スタンフォード大学等の研究に基づく音楽の認知的効果
URL: https://tabi-labo.com/241569/brain-music
集中力を高める「音楽」の特徴調査 – レバテックラボ ADHD症状への音楽の効果に関する最新研究
URL: https://levtech.jp/media/article/column/detail_605/
音楽で勉強に集中できる4つの理由 – STUDY HACKER 音楽が学習・集中力に与える科学的効果の解説
URL: https://studyhacker.net/columns/studying-music

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著者
きじP
きじP
子ども創作活動アドバイザー
小学生1児の父。Web関連会社ディレクターとしてWeb制作に10年以上携わる経験を活かし、家庭でできる創作活動のアイデアを発信中。※本サイトはプロモーションが含まれています
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